プログラミングなしでブログ投稿を複数のSNSに自動配信 〜Make(旧Integromat)を使った実例〜

ブログを投稿しているけれど、もっと多くの人に読んでほしい。拡散のためにはSNSでの配信も重要。
でも、Facebook、Instagram、LinkedIn...それぞれに手動で投稿するのは、正直かなりの手間です。
かなり利用者も増えているiPaaS(integration Platform as a Service)も気になるので、無料で使える自動化ツール「Make」を試してみました。今回は、その使いどころやポイントを記事に致します!
なぜMakeを使おうと思ったか

課題:SNS配信を効率化したい
ブログ記事の効果を高めるには、SNSでの配信が重要です。
でも、毎回手動で各SNSに投稿するのは:
- 時間がかかる
- 投稿忘れが起きる
- 同じ作業の繰り返しでストレス
「無料で使える自動化ツールがあれば...」と考え、iPaaS(自動化プラットフォーム)の利用を検討しました。
ZapierとMakeを比較
iPaaSで最も有名なのは「Zapier」です。

でも、調べてみると:
Zapier:
- ✅情報が豊富で初心者向け
- ✅対応しているSaasが多い
Make:
- ✅ 分岐やループ処理が無料プランでも可能
- ✅ HTTPモジュールで細かく設定できる
- ✅ ビジュアル設計で分かりやすい
結論:Makeを試してみることに。
こんなことで悩んでいませんか?
Makeが最適解になる具体例を3つ紹介します。
例1:SNS運用の効率化
悩み: 「ブログを更新するたびに、各SNSに手動で投稿するのが面倒!」
自動化したら:
WordPress投稿
↓
・Facebook投稿
・Instagram投稿
・LinkedIn投稿
・社内メール通知
すべて自動!
こんな人におすすめ:
- ブログを定期的に更新している
- 複数のSNSアカウントを運用している
- 投稿忘れをなくしたい
例2:問い合わせ対応の初動自動化
悩み:
「問い合わせフォームに連絡が来るたびに、返信メール、CRM登録、担当者連絡...毎回同じ作業!」
自動化したら:
Googleフォーム送信
↓
・お客様に自動返信メール
・担当者にSlack通知
・CRMに自動登録
・スプレッドシートに記録
即座に完了!
効果:
- 即座に返信(お客様を待たせない)
- 対応漏れゼロ
- 担当者の負担軽減
例3:定期レポートの自動作成・配信
悩み:
「毎週月曜、先週のアクセス数をスプレッドシートにまとめて、グラフ作って、メール共有...毎週30分かかる!」
自動化したら:
毎週月曜 朝9時(自動実行)
↓
・Googleアナリティクスからデータ取得
・スプレッドシートに自動記入
・グラフ付きレポートをメール配信 勝手に届く!
こんな人におすすめ:
- 定期的なレポート作成がある
- データ収集に時間がかかっている
3つの共通点:
Makeが得意な自動化 これらに共通するのは:
✅ 複数のツール・サービスをまたぐ
✅ 繰り返し作業**(定期的に発生)
✅ 手動だと面倒だけど、やらないといけない
✅ プログラミング不要で実現可能
こういった作業に、Makeは最適です。
所要時間:
- 設定:4時間
(少々てこずりました。。。MakeというよりはSNSのアカウント設定とWordpressの問題でしたのでMakeだけなら2時間ほどです)
費用:
- 0円(Makeの無料プラン)
Makeとは?
Make(旧Integromat)は、チェコ発のノーコード自動化プラットフォームです。
主な特徴:
- プログラミング不要
- ビジュアル設計(フローチャート感覚)
- 2,000以上のアプリ・サービスと連携
- 無料プランあり(月1,000オペレーションまで)
ZapierとMakeの比較
| 項目 | Zapier | Make |
|---|---|---|
| アプリ数 | 7,000以上 | 2,000以上 |
| 無料プラン | 月100タスク | 月1,000オペレーション |
| 複雑な分岐 | 有料プラン(月$49〜)から | 無料プランから可能 |
| HTTPモジュール | 制約あり | 柔軟に設定可能 |
| 得意分野 | シンプルな連携 | 複雑なワークフロー |
| 初心者向け | ⭐⭐⭐⭐⭐ | ⭐⭐⭐ |
Zapierの強み:
- 圧倒的なアプリ数
- 初心者にも分かりやすい
- 日本語情報が豊富
Makeの強み:
- 複雑な分岐・ループが無料で可能
- HTTPモジュールで細かく設定できる
- ビジュアルで全体像が把握しやすい
実装でつまずいたポイント
アイキャッチ画像が取得できない問題
問題: WordPressから送信したはずのアイキャッチ画像がfalseになる。
原因: WordPressのGutenbergエディタ特有のタイミング問題。
publish_postフックでは、投稿データは保存されていますが、メタデータ(アイキャッチ画像等)はまだ保存されていません。
解決策: フックをwp_after_insert_postに変更。
php
// ❌ これだと画像が取得できない
add_action('publish_post', 'send_webhook', 10, 2);
// ✅ これなら画像も取得できる
add_action('wp_after_insert_post', 'send_webhook', 10, 4);
wp_after_insert_postは、投稿・ページ・メタデータがすべて保存された後に発火するため、アイキャッチ画像も正しく取得できます。
教訓: ノーコードとは言え、連携先(WordPress)の仕様理解は必要。
同じ構成を作る方へ: WordPressとの連携では、フックの選択が重要です。wp_after_insert_postを使えば、アイキャッチ画像も含めてすべてのデータが取得できます。
実際に使ってみて分かったこと
✅ 良かった点
1. wordpress投稿でSNS配信が自動化
手動なら:
- ブログ投稿:30分
- SNS投稿(手動):10分×3
- メール送信:10分
- 合計:70分
Makeで自動化後:
- ブログ投稿:30分
- SNS投稿:0分(自動)
- メール送信:0分(自動)
- 合計:10分
2. 投稿忘れがゼロに
忙しいとSNS投稿を忘れることがありましたが、今は100%確実に配信されます。
未実装ですが、ブログの情報がMakeに届いているので、ブログ投稿時に忘れがちなアイキャッチ画像やカテゴリの設定をチェックして分岐処理を作ってもいいですね。
3. ビジュアルで分かりやすい
フローチャート形式なので、全体像が一目で分かります。
❌ イマイチだった点
1. 初期設定に時間がかかる
いろいろできる分、設定はやや複雑で初回はてこずるかもしれません。
学習コストも考えるとシンプルな要件ならZapierもありかもです。
初めてで少々手こずりましたが、操作のコツがわかってくると設定時間は大幅に短縮できます。
2. トラブルシューティングが難しい
「なぜ動かない?」となったとき、原因特定に時間がかかりました。
3. 完全放置はできない
SNS等はAPIの仕様変更が結構あるので、定期的なチェックは必要です。
どんな人に向いている?
✅ おすすめできる人
以下に当てはまれば、試す価値があります:
- 複数のツール・サービスを日常的に使っている
- 同じ作業を定期的に繰り返している
- 「自動化できたらな...」と思ったことがある
- プログラミングはできないけど、自動化には興味がある
❌ おすすめできない人
正直に言うと、以下に当てはまる場合は無理に使う必要はありません:
月1回程度の作業 → 手動の方が早い
1つのツール内で完結する作業 → そのツールの標準機能で十分
超複雑なロジック → プログラミングで書いた方が良い
まとめ
わかったこと
✅ ノーコードツールは思った以上に使える
❌ でも万能ではない
✅ 「複数ツールをまたぐ繰り返し作業」なら最適解
こんな人は試してみる価値あり
「毎週○○の作業に時間がかかっている」
「複数のツールにデータを手入力している」
「同じメールを何度も送っている」
→ そんなあなたにMakeはぴったりです!
始め方
- Makeの無料アカウント登録
- 簡単な連携から試す(Googleフォーム → Slack等)
- 慣れたら複雑な自動化にチャレンジ
まずは無料で試してみることをおすすめします。
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