GAS(Google Apps Script)で始めるDX

なぜGAS(Google Apps Script)なのか?

GASとは、Googleが提供する無料のプログラミング環境で、
GoogleスプレッドシートやGmail、フォームなどを連携・自動化できます。

スプレッドシートの標準機能だけでもかなり多機能で使いきれませんが、更にGASを使えばできることが100倍ぐらいに広がります。他のGoogleサービスとの連携もしやすく業務システムをこれだけでも十分作成可能です。

システム開発ではインフラの準備や環境構築が大きな負担になりますが、そういったものは一切不要で無料でGoogleの資源を使えます。

GASの特徴

  • ✅ 完全無料(Googleアカウントがあればすぐ始められる)
  • ✅ インストール不要(ブラウザで編集・実行OK)
  • ✅ スプレッドシートと親和性が高く、現場にすぐ導入可能
  • ✅ 自動化・通知・集計などに対応できる柔軟性

Excelやスプレッドシートの表計算ソフトはほとんどの人が利用経験があるので、ラーニングコストが低く浸透が早いのも強みです。

中小企業での活用例

✅ 例①:スプレッドシートの自動集計・整形

  • 日報や受注データを入力すると、別シートに自動で集計
  • 曜日ごと・担当者別に整形してグラフ表示も可能

✅ 例②:フォームからの申請受付+自動通知

  • Googleフォームで社内申請を受付 → 自動でスプレッドシートに反映
  • 承認者にGmailやSlackで自動通知 → 回答もGASで処理可能

✅ 例③:請求書や見積書を自動作成

  • 顧客情報・金額を入力 → PDFの帳票を自動生成しメール送信
  • フォルダ名やファイル名も自動命名で管理ラクラク

✅ 例④:在庫管理の自動アラート

  • 登録した在庫が設定以下になると、自動でメールやLINE通知
  • 月次レポートを自動出力・印刷も可能

実装までの簡単ステップ

STEP1:Googleアカウントを用意

  • 無料のGmailアカウントでOK(@gmail.com)

STEP2:Google Sheetsを作成

  • 管理したい業務に合わせた表を用意(例:受注一覧、在庫一覧)

STEP3:拡張機能 → Apps Scriptを開く

  • 上部メニュー「拡張機能」→「Apps Script」でスクリプトエディタを起動

STEP4:コードを書く(もしくはコピペ)

情報が更新された際に在庫数をチェックし、少ない場合にはメールで知らせる機能を自動化したものです。

function onEdit(e) {
  const range = e.range;
  const sheet = e.source.getSheetByName("データ");
  if (range.getColumn() === 3 && range.getValue() < 10) {
    MailApp.sendEmail("manager@example.com", "在庫が少なくなりました", "商品:" + sheet.getRange(range.getRow(), 1).getValue());
  }
}

STEP5:保存・実行・動作テスト!

  • トリガー(時間・編集時など)も自由に設定可能

自動化の良い点

チェック漏れやヒューマンエラーがない

在庫数をチェックして少なければ発注。これを人間がやると「忙しくて見ていなかった!」とか、「隣の情報を見て勘違いしていた!」なんてことがありえますが、自動化すれば何百万回でも同じ処理を確実に繰り返すのでミスやポカは起こりません。

気にかけることが減る

在庫数チェックなら「毎日とはいかなくても週に2回ぐらいは欠かさずやる」と、常に頭の片隅において置かなければなりません。
アラートメールだけでなく、在庫が減ったら発注書を作成して取引先に送付というところまで自動化してやれば、在庫が減ったらちょうどいい頃に勝手に補充分が届くということにできます。
覚えて置かなければならないことが増えると記憶は有限なのでどこかで漏れが出てしまいますが、自動化で覚えるべきことを減らせます

GASは無料だけど、ここは注意!

無料版は時間制限あり(1日あたりの実行回数上限)

🔐 社内で使う場合はアクセス権限の管理をしっかり

💻 バージョン管理や複数人編集には若干のクセあり
(→ 共有設定やGitHub連携でカバー可能)

💭 Googleの方針次第で環境が変わる

これらを考慮した作り込みが大事になってきます。

GASで始めるDXは、誰でもできる“身の丈DX”

DXは、大手企業だけのものではありません。
GASを使えば、中小企業でも無料・低リスクで 自社の業務改善が始められます。
まずは、1つの業務 からで構いません。

「受注管理」「申請フロー」「在庫管理」など、
あなたの会社にも “今すぐ始められるDX” があるはずです。

自社内での対応が難しければ外注を検討してください。環境の準備等が不要なので局所的な改善であればシステム構築とは比較にならないほど低コストで実現できます。

オフィス系アプリはGoogleではなくMicrosoftを使っている方でもOfficeスクリプトで同様のことが可能です。

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